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ブタ子の「ちょっと聞いてよ~!」

ブタ子の「ちょっと聞いてよ~!」

ドンホー

ここは「版画の町」と認識していたが、それも然る事ながら、版画を刷る(彫る)世界遺産に登録されている「人」のいる事で有名な町のようだ。
その人の家は、その町には似つかわしくない程ゴージャスで、貧富の差をまた目の当たりにしてしまった気がした。
まー、ゴージャスと言っても、タカが知れてる程度だけど。
で、その本人、昼寝中だと言う。
なんじゃ、そりゃ!?
代わりに息子が現れ、いろいろ(でも、ないか。サーッと)説明してくれた。
どっちにしても興味のない私は、大して話も聞かず、作品も見ず、入らなくてもイイんだけど仕方ない、くらいな面持ちで家に上がり、抜け出すチャンスを伺っていた。
もっと観光客がいれば良かったんだけど、あいにくお客さんは私達だけ。
版画だから左右反対のはずだけど、彫った原版をそのまま飾るように普通向きの作品も多かった。
細かい彫刻が施されていて、まー、凄かったケド、私には「刺繍少女」の方が凄いと思わされた。
版画の出来上がりの絵が5色だとしたら、色別に5枚の板を彫り、紙に付けた印に合わせて順に印刷していく。
枠になる「黒」は最後と見た。
十分飽きた私は、カシくんが息子と何か話してるうちに、まんまと脱出。
他に見学する版画屋もなく、家自体も数えるくらいしかない小さな町だけど、少し歩く事にした。
表まで出ると、カシくんとダさんもアッサリ出て来ていた。
彼ら、焼き物以外は興味がないと見える。
版画屋の斜め向かいには、それとは対照的に今にも崩れそうな趣のある貧しい家の庭先に、ニワトリが放し飼いになっている、ん~、健康的!(ニワトリにとって、ね)
少し歩いていくと、玄関先で50cmくらいの画用紙をハケで赤く塗って広げている少女を発見。
お正月の用意だろうけど、新暦のお正月だったら今頃(12月30日)用意したって到底間に合わないだろうから、旧正月用だろうね。
そう!体験好きな私はやらせてもらう事にした!
塗るのはかなり楽しい!ハケが紙を滑るのが思いのほか気持ちイイ!
でも、問題はそのあと。
紙を乾かすのに適当に置き換えるんだけど、紙が上手く持ち上がらない。
少女とその姉妹は私の不出来を面白そうに笑っている。
3~4枚やったかな?いい加減邪魔しちゃ悪いと思い、お礼を言って退散。
また少し行くと、今度は紙で出来た帽子を赤に塗っているおばあさん発見。
もちろん、やりました!3個くらい。
見てると簡単そうなんだけど、帽子の中に入れてる手が上手い事掴めなくてなかなか難しい。
塗られてない白と塗り終わった赤の帽子が並び、めでたく紅白でその数に圧巻。
おばあさんにお礼を言って、歩いていくと、角に揚げ物をしているおばさん発見。
今日のツアーにはお昼は付いていない。
しかも、食べる所もないので、私達はその揚げ物を買ってみる事にした。
カシくんはなぜか少しベトナム語が分かる。
「ありがとう=カモン」しか分からない私にはもう大尊敬~。
ある日、彼が買い物をしていると、店の奥からお母さんが2千ドン(16円)とベトナム語で言っているのが聞こえたが、店番の子供は1ドルと言ったと言う。
そうか、言葉が分かると、そういう事も見えてくるんだなぁ。
そして、そのカシくんの語学でその揚げ物が5百ドンであると判明。
え!5円もしないって事だよね!?安過ぎ!!
小麦粉で作った薄い生地に春雨などの具を入れ餃子状態にして揚げた揚げ春巻き(?)。
でも油っぽ過ぎて食べる気なし。
二人は美味しいと言って食べていて「たった5百ドンだよ、買わないの?」っと私が5百ドンを渋っているかのように言う。
まー、渋るって言うか、それが食べたい訳ではないんだよ。
おばさんはイイ人(愛想がイイ)で、売り上げに貢献する気になった。
他にもう一つ別な物を揚げているので、それを試す事にした。
食べてみたら、サツマイモの天ぷら(かき揚げ状態)のようだった。
それでもまだ、しきりにダさんが「なんで揚げ春巻きを食べないのか」と、強要するかの如く薦めるので、待たせている運ちゃんの分と2つ買った。
持って帰り運ちゃんに「あげる」と言うと「いらない」と言う。
え~~~~!いらないの??まー、多少そう言われるんではないかと思っていたんだけど。
ま、余計なお世話だったかしら?
バチャンでも寺でもここでもお菓子を食べていたし、お腹空いてないのかもね。
不運にも、私は脂っこい物を赤いインクの付いた手で3つも食べる事になったのであった(決して捨てない)。


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